第109回生の看護師国家試験対策ノート

国家試験に向けた知識をまとめてます。109回生なので比較的情報は新しいと思います。みんな頑張れ!!

看護師国家試験対策!!【検査データ:(炎症)白血球・CRP+RF定量】

 

 

 今回から早速は国試によく出る検査データについて解説していきたいと思います。

なんで検査データってこんなわかりずらいんでしょうね…(-_-;)

なるべくわかりやすく、血球でバーっとか、生化学でズラーッと出しても理解しにくいと思うのでカテゴリ別、一緒に見ることが多いもので分類して解説していきます。

 

 

 

白血球数(White blood  cells:WBC)基準値:3.3~8.6(×10³/μℓ)

CRP炎症反応・C反応性蛋白:C-reactive protein)基準値~0.30(mg/dl)

 代表的な炎症反応を示す検査データです。

 白血球は学習したと思いますが、好中球好酸球好塩基(塩基はアルカリのこと)球・リンパ球単球の総称です。ベテラン看護師さんはワイセとかって略したりしますんで実習の時は聞いてみるといいかも。

 白血球の種類にはそれぞれ得意分野があり、

・好中球:感染防御作用を持つ。感染症など急性炎症にはいち早く反応する。貪食作用(細菌などを取り込み消化する働き)をもつ。

好酸球:アレルギー反応に関与。寄生虫アニサキスとか)に強い。

・好塩基球:これもアレルギー反応に関与。こっちはヒスタミン(花粉症とかにかかわるホルモン)を出したりして即時型アレルギーに関与

・リンパ球:TとBとNKに分かれる。こっちは抗体(ワクチンみたいなもん)と作ったり、使ったりしてTとBは細菌などを殺菌する。NKは癌とか対細胞に働く。

・単球:こっちも好中球と同じく貪食作用を持つ。組織内に入って成長するとマクロファージになって抗原提示(侵入者の情報を伝えること)という働きをもつ。分化する先に樹状細胞というものもあるが今回は割愛。

 免疫機能として働き、細菌などの異物を取り込んで排除する役割を担っています。

肺炎などに罹患(りかん:病気にかかること)すると細菌などを排除するために体内で増殖して、異物を排除するために働きます。

白血球(というか血球成分)を作っている骨髄の造血機能が弱まってしまうと、白血球のもともとの量も減少しますし、異物が入ってきたときに増殖できず罹患しやすくなってしまいます。そのためがん剤などで骨髄抑制のある場合や、再生不良性貧血など造血機能そのものが弱っている、機能が十分にない場合は数値が低くなります。

上にわかりずらい基準値を出しましたが、個人差も大きく、年代によっても異なるためおおよその目安を出しておきます。

成人4,000~9,000/µL 小児6,000~10,000/µL 幼児6,000~18,000/µL

新生児9,000~25,000/µL 年代が低いほど基準値は高くなります。

 

 国試問題では、肺炎など〇炎とあるものや術後は大抵上昇していると考えていいと思います。また白血病(異常な白血球がいっぱいできてしまう病気)や心筋梗塞の時なんかも上昇するので覚えておいたほうがいいかも。

敗血症(別の臓器にあった病原菌が血液中に入り込んでしまったもの)は12000を超えるか4000未満になるか、高熱などのいくつかの症状によって判断されるもので、炎症っぽいのに下がる場合もあるので覚えておくと引っかからずに済むと思います。

ケアとしては、まず安静。そんでもって禁煙です。煙草を吸うと白血球が上昇することがあります。また、炎症を起こしているということは発熱しているorしていなくても免疫機能をフル活用していてエネルギーを消耗している状態なので、高カロリー+高たんぱくの食事が必要です。ついでに食事は生もの×です。しっかり過熱して感染予防しましょう。

 

 

 CRPも炎症を起こしているときに上昇する数値です。

C反応性蛋白というのはもともと肺炎球菌のC糖体に反応すると考えられていたからとか名前の由来がありますが覚えなくていいです( ´∀` )

CRP=炎症反応を示すたんぱく質と覚えてください。

炎症が起こっていなければデータとしては0.14とか小数点以下で低い数値ですが0.4とか0.5~0.9になってくると軽度の炎症(アトピーとか軽い風邪とかその辺)、1.0~2.0になってくるとウイルス感染とか、2.0を超えるとだんだん重くなってきて、10近くなるとがっつり肺炎とかになってきます。

で、CRPは大体12時間以内にギューンと上がっていくものなのですが1,2時間だと上がりきってないこともあり注意が必要です。状態が良くなるとギューンと下がります

CRPが上昇するときは、炎症感染症や外傷)リウマチ熱や悪性腫瘍があるとき、心筋梗塞といった組織に損傷がおこったと上昇します。

 狭心症は組織の壊死がないので上昇しませんが心筋梗塞の際は組織の壊死が発生するため上昇がみられます。ここで区別できるので知っておくと役に立つかも。
  問題で3.0超えてたら「あー、高いなぁ」と思えるといいかも。

RF定量(リウマトイド因子)

 多分国試ではほぼ聞かれないんじゃないかなぁ…と思いますが一応。

リウマチや全身性エリテマトーデスなんかの場合に上昇するデータです。

リウマチだったら炎症の種類が滑膜炎だとか変形の名称とかその辺だと思います。

 

まとめ

わかりやすくとか言いながら長くなってしまいましたがまとめます。

白血球:成人4,000~9,000/µL 炎症のある時や術後、心筋梗塞のときは高くなる。

骨髄抑制など造血機能が弱っているきは低くなる。

・敗血症は高いときも低いときもある。

CRP:~0.30(mg/dl) 白血球と同じように炎症や術後、心筋梗塞の時に高くなる。

・数値が高いほど重篤な炎症反応であることが多い。

一気に上がって一気に下がる

狭心症心筋梗塞の鑑別(どっちか判断すること。治療するうえで疾患を明確に判断することはとても大切)に有用。

・術後の検査データが書いてあって、0.5とかその辺が書いてあっても安易に感染を起こしていると判断しないように。発熱とかの別の情報も併せて判断する。

 

アウトプット用過去問

 

第95回 午後52問

次の文を読み問題1に答えよ。
28歳の女性。会社員(経理系)。最近手指の関節に痛みを感じるようになったが、腱鞘炎と思い湿布薬やマッサージで様子を見ていた。しかし、徐々に肘関節に痛みとこわばりが出現し、微熱と全身倦怠感もみられるようになった。医師から「関節が少し腫れているようですね。診断のため血液検査をいくつかしましょう」と言われ、外来通院することになった。

問題1
診断に役立つのはどれか。

 

 

 

                             A.1

微熱と関節の腫れ(炎症)なのでCRPですね。

 

第103回 午後30問

白血球について正しいのはどれか。
  • 1. 酸素を運搬する。
  • 2. 貪食作用がある。
  • 3. 骨髄で破壊される。
  • 4. 血液1μL中に10万~20万個含まれる。

 

                            A.2

貪食作用については解説しましたね。作る場所についても。

基準値も書いてあるのでもし間違ってたら読み返してみてください。

 

 

ちょっと難しいかも↓

第103回 午後95問

次の文を読み問題2に答えよ。
Aさん(43歳、男性、会社員)は、1か月前に右頸部の腫瘤に気付き、自宅近くの診療所を受診し、大学病院を紹介された。検査の結果、Aさんは、非Hodgkin<ホジキン>リンパ腫と診断され、縦隔リンパ節腫大による上大静脈の圧迫も確認され、化学療法導入のため入院した。Aさんは「悪性リンパ腫と言われたときにはショックだったけど、化学療法は有効であると聞いて、頑張ろうと思っている」と話す。入院時、Aさんは体温37.5℃、呼吸数18/分、脈拍84/分、血圧124/64mmHgであった。血液検査データは、赤血球302万/μL、Hb10.3g/dL、白血球6,400/μL、総蛋白7.6g/dLであった。

問題2
入院後4日。Aさんは化学療法としてCHOP療法(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾロン)を行うことになった。

開始前のAさんへの説明で適切なのはどれか。
  • 1. 「高齢の人より副作用は少ないでしょう」
  • 2. 「明日から加熱食となります」
  • 3. 「3日目ころから脱毛が始まります」
  • 4. 「5日目ころから口内炎ができやすくなります」

 

                              A.4

説明した内容から2っぽいですが、まだ化学療法は始まっておらず、免疫抑制状態ではないので2は違います。

化学療法についてもいずれ解説しますがほぼほぼ出るので学習しておきましょう。

 

 

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